最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)346 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
各被告人の弁護人田坂貞雄上告趣意第一、二点について。
しかし、所論被告人並びにAに対する検事の聴取書の各供述記載の外Bに対する
司法警察官代理の訊問調書中の供述記載その他原判決挙示の証拠を綜合すれば、原
判示の事実認定を肯認するに充分である。されば、原判決は被告人の自白を唯一の
証拠としたものでないこと明白であり、従つて、論旨は結局原審の裁量に任かされ
ている証拠の判断を非難するに帰し、いずれも上告適法の理由とならない。
同第三点について。
所論前段は、原判決の認定に副わない独自の見解であり、その他は原審の裁量に
属する量刑の非難であるから、上告適法の理由ではない。
同第四点について。
しかし、原判決は、証拠に基き被告人自身の犯行否認の主張を排斥して被告人自
身においても強姦を遂げた旨の事実を認定判示しているから、所論未遂の主張を排
斥したものであること判文上自ら明らかであるといわなければならない。それ故所
論は当らない。
被告人C上告趣意について。
しかし、記録によれば所論A並びにDは第一審公判廷において証人として喚問さ
れ、いずれも、被告人に対し同人等を訊問する機会を充分に与えたこと明らかであ
るから、原審において同人等を重ねて喚問しないで同人等に対する所論供述記載を
証拠としても所論法条に反しない。その趣旨は当裁判所大法廷の判例とするところ
である。それ故論旨は採用できない。
被告人E上告趣意について。
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しかし、記録によれば所論Aは第一審公判廷で証人として喚問され、被告人に対
し同人を訊問する機会を充分に与えていること明白であるから、原審において同人
を重ねて喚問しないで同人に対する検事の聴取書の供述記載を証拠としても所論法
条に反しない。また爾余の者はいずれも原審における共同被告人で同一公判廷で審
理された者で、被告人は何時でも相被告人を訊問することができるのであること刑
訴応急措置法一一条の明定するところであるから、原審においてかゝる相被告人を
重ねて喚問しないでその第一審公判における供述記載を証拠としても同法一二条又
は憲法三七条二項に触れる道理がない。それ故所論は採ることができない。
よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
検察官 竹原精太郎関与
昭和二五年五月二五日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 小 谷 勝 重
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